最近、SNSやフランス語の教室などで"DELF(デルフ)"と言う仏検とは別のフランス語の試験の名前を耳にしたことがある人もいるかも知れません。
DELFもフランス語を勉強している外国人のための試験です。
わたしは現在DELF B2と仏検準2級を保持しています。
そんな私の経験から、DELFと仏検の違いや比較などを以下で説明していきたいと思います。
こんな方におすすめ
- DELFと仏検の違いを知りたい
- 自分のレベルだとどのDELFの試験を受けていいかわからない
- DELFと仏検、どちらを受けたほうがいいの?
Contents
DELF・仏検とは?
DELFとは
DELF (Diplôme dʼétudes en langue française) とDALF (Diplôme approfondi de langue française)は、フランス国民教育省認定の、国際基準・統一規格の外国語としてのフランス語資格試験です。DELF(A1・A2・B1・B2)、DALF(C1・C2)の6つのレベルがあります。試験には、筆記試験(聴解・読解・文書作成)と口頭表現試験があり、4つの能力が評価されます。合格するとディプロム(証書)が発行されます。一度取得すれば一生有効であるこの資格試験は、世界175ヶ国以上で実施されています。
言語に関する欧州共通基準(CECRL)の6段階に対応しています。DELF B2以上を取得すると、フランスの大学に登録するための語学試験を免除されます。
日本では年に2回春・秋に行われています。
(フランスでは会場にもよりますが、5回〜6回ほど行うところもあります)
日本では料金は決まっていますが、フランスでは会場によって料金も様々です。
(わたしはDELFB1とB2を受けたことがありますが、どちらも100ユーロしませんでした)
【アンスティチュ・フランセ東京のホームページより一部抜粋】
DELFについて詳しくは、日本専用のページがありますのでそちらでご確認ください。日本フランス語試験管理センターホームページ
仏検とは
日本の学習者を対象とした唯一のフランス語検定試験です。
「仏検」は、日本国内のフランス語教育関係者によって、在日フランス大使館文化部の協力のもとで1981年に創設されました。受験者総数は延べ85万人を超えています。
その伝統と実績はわが国の外国語学習の領域で確かな評価を得ています。
学校で学ぶフランス語の学習成果の判定にもふさわしい客観性を備えた試験として、単位修得や編入学試験の資格認定の条件、あるいは大学での交換留学に向けた学内選考要件などに広く活用されています。
また、海外企業が次々に日本に進出し、日本の企業や国際協力団体もフランス語圏に広く展開しています。英語+αが求められる時代、「仏検」は、フランス語力の具体的な証明として就職活動やキャリアアップを後押しします。
【仏検のホームページより一部抜粋】
年に2回春・秋に試験が行われます。
料金はどの会場で申し込んでも同じ料金です。
(パリ会場を除く、パリ会場はもっと高いです)
仏検(フランス語検定)については、ホームページも併せてご覧ください。仏検のホームページ
DELFのどのレベルが仏検に相当するのか
DELFと仏検のレベルは以下のように大体分けられると思います。
【日仏文化協会のホームページより一部抜粋】
ただこちら、人によって勉強の方法や、状況などの違いがあるので必ずしもこの通りではないと思いますが、だいたい基本的にはこんな感じだと思います。
仏検はレベルが5が簡単で1が難しいですが、DELFはA1、A2、B1とだんだん難しくなっていきます。(これはフランス語だけでなくスペイン語やドイツ語もこの方式です)
人によってここに書かれているレベルで難しいと思う人もいれば簡単だと思う人ももちろんいます。
ここの表だけで判断せず、サンプルの試験を必ず試してみたほうがいいです。
その結果をもとに自分にはどのレベルが合っているのかを判断するのがいいと思います。
サンプル試験をもっと下のところに載せてあるのでぜひごらんください。
DELFと仏検の試験内容の違いについて
以下の表にて私が知っている限りのDELFと仏検の違いを簡単にまとめてみました。
DELF | 仏検 | |
リスニング | ・仏検よりも長めでスピードも早く問いも多い 例えばDELF B1だと1:30〜2:30ほどの長さのリスニング問題が3つ ・ひとつの問に対して問題も10ほどあったり(B1から)集中力を長く保つのが難しい |
・ディクテーション(読み上げられた文章を正確にフランス語にする)の試験が準2級からあり ・他のリスニングは1級まではい・いいえの問題と単語穴埋め問題で自分で文章をよんで選んだり、記述するものはない |
読解など | 読解問題のみ(A1,A2に表にする問題などあり) | 読解問題と文法や前置詞、単語に関する問題あり |
文章作成 | A1から文章作成問題あり A1: 40文字と自分について書く問題2つ A2: 60文字が2つ B1:160文字 B2:250文字 |
準1級からフランス語に訳す問題あり |
面接 | A1からあり | 準2級からあり |
これですべての問題を説明しているわけではありませんが、基本的にはこのような感じです。
比較してみると、DELFは書く・聞く・話す・読むがバランス良く出題されるのに対し、仏検は少し偏った印象があります。
特に仏検は、文法に重点をおいている印象が強く、文法の知識を問う問題が多く、また、綴りに関しても一語一句間違えてはいけず、ディクテーション(書き取り問題)などでは、アクサンテギュやベルギュル(,のこと)まで間違えてはいけないため、とにかく正確さを問われている試験だと思います。
自由に表現したり、作成したりと言った問題よりも、どれだけ正しく理解しているかの方に重点を置いていると思います。
DELFでは、多少の綴りのミスなどがあっても減点にはならず、自分が勉強してきた表現や単語を使って最大限のパフォーマンスができるかが重要になってくると思います。
テキストなどで例文に載っている表現などを使ったりすれば、"あ、この子はちゃんと勉強してきているんだな"というのを見せるのは好印象です。。
また、仏検は3級までは基本60点以上で合格になりますが、準2級からは全受験者の点数の平均によって合格が決まるため、合格基準点がその回によって毎回変わってきます。
一方DELFは、100点満点中50点以上取れれば受験者全員が合格することもできる試験なのでモチベーションも高いです。
(※ただし、各試験それぞれ25点満点で最低基準点の5点をそれぞれでとらないと、仮に合計50点以上あったとしても合格にはなりません。)
DELF・仏検はこんな人にオススメ!
DELFはこんな人におすすめ
・将来フランスでフランス語を勉強したいとかフランスの大学に入りたいといった目標がある場合(学校によってはDELFB2の合格証の提示が必要となる場合があるため)
・フランス語で自由に書いたり、話したりと自分から進んで表現や発信していきたい人
・フランス語圏に住む予定のある人(フランスで10年ビザをとるためには少なくともA2の合格証明が必要となります)
・フランス語圏へ旅行に行った際、現地の人と積極的にコミュニケーションを取ったりしたい
仏検はこんな人におすすめ
・まだフランス語の勉強を始めたばかりだけどフランス語の資格の試験を挑戦してみたい
・日本の大学で単位のひとつとして認められたい
・日本で就職活動しているとき、履歴書に就職英語プラスアルファの資格を書きたい
・フランスは好きだけどたまの旅行程度で、でも何かしらのフランス語を勉強したい
DELFを受けたい!でもどんな勉強をすればいいの?
DELFを受けるぞ!と決めたらまずはご自身の目標の級を決めます。
試験内容をご自身の目で確認されるのがいいと思います。
下記にサンプルの問題のリンクを貼り付けました。
以下でまず確認されるのがいいと思います。
(仏検2級をお持ちの方でもフランス人とコミュニケーションをとったことがない方や、フランス語で文章をほとんど書いたことのない方はA2から試してみるのがいいと思います。)
その後は、問題集を購入したり、あるいは学校に通ったりと色々選択肢があると思うので、その参考として以下にて紹介させていただいています。
もしよければごらんください。
DELFと仏検のサンプル試験
・DELFの試験見本
A1のサンプル試験
A2のサンプル試験
B1のサンプル試験
B2のサンプル試験
・
・仏検の試験見本
仏検の過去問題サンプル(リスニングや書き取り問題もあります)→https://apefdapf.org/dapf/presentation/exemples
DELFと仏検のおすすめ問題集
DELFのオススメ問題集
フランス語の初心者でこれから勉強はじめます!という方はこちらのテキストがおすすめです。
DELFの問題集ではじめて日本の方が解説した本が出たそうです。
はじめて受けるしこれなら頑張れそうかな・・・と思える本だと思います。
DELFの試験は問題も全てフランス語、だから今から頑張ってフランス語の問題集を解きたい!という方にはこちらがおすすめです。
わたしがこの本をおすすめする理由は、まずは一番新しいからです。
また解説がわかりやすい。
わたしがDELFB2を受験するときはこの本に本当に助けられました。
A1の本
A2の本
B1の本
B2の本
また私がとても気に入っている文法の本があります、それがこちら。
DELFの試験は文章作成の問題があったりするので、この問題集の例のところに出ている例文が本当に役に立ちました。
DELFB1を受験した頃3周しました。とってもおすすめです。
解答(解答は別冊になっています)
ひとつ下のレベルのものもありますが、わたしはA1を受験される方でも上でご紹介した本でもいいと思っています。
なぜなら日本人は文法はもうよくわかっている方が多いからです。
それに何冊も文法の本はいらないと思います。
でも念のためご紹介します。
解答(解答は別冊になっています)
仏検オススメの問題集
解説などもわかりやすくて気に入っています。
個人で習っているけどちょっとフランス語習うのに興味があるなぁという方は、以前書いたこちらの記事ももしよければ併せてご覧ください。
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まとめ
以上、DELFと仏検のについて紹介させていただきました。
フランス語を勉強し始めると何かしらのモチベーションや目標のために試験を受けるという方が多いと思います。
どの試験を受けるにしても、決して試験に合格することだけを目的とせず、細く長く続けて行くことが語学にとっていちばん大事なことだと思います。
試験を受けるためにその時だけ頑張って、合格して、その後1年放置したら、avoirの活用すら出てこないこともあると思います。
わたしはDELFB2を合格したあと、自分のフランス語力を下げないためにいろんなことを行っています。
以下の記事がその行っていることのひとつになっています。もしよければこちらもごらんください。
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今回の記事がDELFや仏検を受けようと思っている方の少しでも参考になれば嬉しいです。
読んでくださってありがとうございます!
ちょっとした余談
さて実は先日、インスタグラムにてフランス語を勉強するかたむけに初めてライブを行いました。
そのときのテーマが、DELFと仏検の違いやそれぞれのオススメだったんです。
30分のライブと言いながら結局1時間ほど話していました。
質問してきてくださる方には精一杯自分の持ってる全てがもし役に経つならあれもこれも見せたい!と欲を出して過去勉強してきたものを色々引っ張り出して来たりしてしまいました。
ライブはおかげで楽しいものとなったので、いつかまた機会があれば行うことができたらいいなと思っています。
インスタグラム(フランス語・生活・料理アカウント)
@journaldesayaka
フランス語・料理・生活アカウントです。この写真から入れます♪インスタグラム(フランスの美しい景色を紹介しています)
@tofurabbit
フランスの旅や景色を載せているアカウントです。この写真から入れます♪Youtubeでもフランス語の勉強について紹介しています!
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